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どうなる、summer vacation
付き合うとは。
その意味は恋人交際。
好意を抱きあっている二人が一緒に過ごすこと。
ということは。
『オレたち、付き合おう』
お兄ちゃんはああいった。
つまり、私たちは恋人として交際するということで。
お互いに好意を持っているということで……
「……ひゃあああああっ!!」
恥ずかしくなった私は、叫び声をあげてベッドに突っ伏す。
枕に顔をうずめて、火照った顔を冷ましていった。
──夜。
部活を終え、帰宅して、夕ごはんも済ませて。
自分の部屋で今日のことを思い返していた。
大変な一日だった。
怖い思いもした。
無事に済んだのは幸運だったのかもしれない。
とにかく、もうこんなことは懲り懲りだ。
ただ……
「付き合おう……か」
それでも頭に浮かぶのはお兄ちゃんのこと。
あのとき言ってくれた言葉だった。
「はあああ……」
ストレートに言うと嬉しい。
だってお兄ちゃんのこと本当に好きだから。
好きだって気づいたときから、きっとこうなることを願っていた。
お兄ちゃんの特別な女の子になりたい。
私が彼を好きなように、私を特別に好きになってほしい。
恋人として、そばにいたい。
……それがこうして叶ったんだ。
夢みたい。
それなのに、ちょっぴりモヤモヤするのは、どうしてなんだろう。
──ピコン!
「……!」
LINEの通知音。
誰だろう。
もしかして、今日こそお兄ちゃんだったりして。
ドキドキしながら画面を見る。
浅間先輩からだった。
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