どうなる、summer vacation

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「あ、あれ!?もう?いつの間に……!?」 「お前なあ……寝ながら歩いてたのかよ?」 「ち、違うもん。桜、バッチリ起きてたもん」 呆れた顔のお兄ちゃんが小さくため息をついた。 ……うう。恥ずかしい。 「……それじゃあ、オレはこれで」 「ああ。またね、望くん」 お父さんがお兄ちゃんに手を振る。 「はい。 ……じゃあな、桜」 「う、うん……。あ、あの、えーと…… バイバイ……望、ちゃん」 「………」 思い切って名前で呼ぶと、お兄ちゃんがちょっと驚いた顔をした。 恥ずかしさで顔がどんどん熱くなってくる。 お兄ちゃんは少し何かを考えるように口元に手を当てる。 引き返し、私の隣に並んだ。 「……望、ちゃん?」 「あの、おじさん。少しいいですか?」 「ん?どうした、望くん」 お兄ちゃんが私の顔を覗きこむ。 「桜、……言っていいよな」 と、聞いてきた。 それが何のことか、すぐにわかった。 だから私はうん、とうなずく。 ドキドキしながら。 「あの、おじさん。 実はオレたち、…付き合っています。つい最近から、ですけど」 「……………え?」 お父さんがポカンとした顔で固まった。
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