どうなる、summer vacation

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お父さんと二人になると、急に照れくささが沸き上がってくる。 「お、お父さん……」 呼び掛けると、お父さんは優しい笑顔のまま私の顔を見た。 「どうした?」 「あ、……えーと、……その、ビックリした?」 「そりゃあ、したよ。桜も望くんも、まだまだ子供だと思ってたし」 「……そ、そっか」 そう言えば、前にお母さんもそう言ってたかも。 私もお兄ちゃんもまだ子供だって。 「でも、二人が決めたことなんだ、反対なんかしないよ」 「お父さん…」 「桜、望くんと仲良くな。お互いのこと、大切にするんだぞ」 「う、うん!ありがとう、お父さん!」 良かった。 お父さんが反対したりはしないとは思っていたけど。 それでもこうしてちゃんと認めて応援してくれると本当に嬉しい。 お父さんは昔からいつもこうして優しく応援してくれる。 それはずっと私の力と自信になっている。 大好きな、私の自慢のお父さん。 「……さ、もう家に入ろう。お母さんが待ってるぞ」 「うん、お父さん」 お父さんと一緒に家の中に入る。 『ただいま』と声をかけると、お母さんがスリッパをパタパタ鳴らして出迎えてくれた。 「お帰りなさい、桜ちゃん!陸くん、今日は早いねー」 お母さんはニコニコ笑っていたけど、お父さんの顔を見て、目を見開いた。 「り、陸くん!?どうしたの、なんかすごい顔色悪いよ、なんかあった!?」 「大丈夫大丈夫。……ちょっとショック……いや、ビックリ……いや、とにかく大丈夫だから」 「…り、陸くん?」 「晴香。俺、シャワー浴びてくる。少し……頭冷やしたい……」 そう言ってお父さんはお風呂場の方に消えていった。 足取りがふらふらしている。 ………お、お父さん………。
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