どうなる、summer vacation

20/20

84人が本棚に入れています
本棚に追加
/259ページ
「うーん。お父さん、どうしたんだろうね?体調不良とかではないみたいだけど」 お母さんが首をかしげながら、私の顔を見た。 「え、えーと…そのー……」 やっぱりお付き合いのことだよね? お父さん、本当にビックリしてたんだ……。 「どうしたの桜ちゃん?」 ……お母さんにも言った方がいいのかな。 あとでお父さんが言っちゃうとは思うけど。 でも、お兄ちゃんは言っていた。 お父さんやお母さんに心配かけたくないって。 だったら…… 「えーと……あのね、お母さん! 桜、望お兄ちゃんとお付き合いすることに、……なったの」 「……!」 お母さんが目を丸くする。 でもお父さんほど驚いている様子はなかった。 「……そっかあ。桜ちゃん ……」 「……え、えへへ」 「良かったね」 「うん!」 まるで自分のことみたいに嬉しそうに笑うお母さん。 その笑顔を見ると、話して良かったと胸が温かくなった。 「なるほど。それを知ってお父さんは……。 うーん、それならショックでぼんやりして着替えとか用意できてないかも。……見てこよう!」 お母さんはぶつぶつ言いながら、廊下をパタパタ戻っていく。 途中足を止め、私を振り返った。 「桜ちゃん、話してくれてありがとう! お母さんは、いつでも桜ちゃんの味方だからね」 そう言ったお母さんは、満面の笑顔だった。
/259ページ

最初のコメントを投稿しよう!

84人が本棚に入れています
本棚に追加