夢みる、wedding dress

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夢みる、wedding dress

金曜の夜。 今日は海ちゃんの家庭教師の日だ。 期末テストがほぼ全教科返ってきたので、それを海ちゃんに見てもらっている。 「……わあ。桜ちゃん、数学が中間より20点近く上がってる。すごいすごい」 「えへ、海ちゃんのおかげだよ」 「ううん。桜ちゃんが頑張ったからだよ」 「えへへー、……ん、ふぅ」 あくびが出そうになるのを慌ててこらえて噛み殺す。 でも海ちゃんには気づかれてしまい、『疲れてるね』と心配そうな顔をされてしまった。 「……桜ちゃん、学校忙しい?」 「んー、学校っていうか、部活が……。もうすぐ演劇の大会があるから……」 あと一週間で夏休み。 夏休みに入るとほぼ毎日一日中部活になる。 でも私は今からもう少し頑張りたくて、家でも自主練習をしていたりする。 私が一番経験も実力もない。 自主練習したところでどこまで追い付けるかわからないけど、出来ることはやっておきたかった。 「大会が終わったら三年は引退だから、桜一生懸命やりたいんだー。恩返しってわけじゃないんだけどね」 「……桜ちゃん……」 海ちゃんはゆっくり優しく微笑んだ。 「……それなら今日はお勉強は少なめにしようか。テストも終わったばっかりだし、桜ちゃんすごく頑張ったものね」 「え、いいの?」 「うん。ちょっぴり休憩ということで……。それに、桜ちゃんに聞いてほしい話もあるの。私事、なんだけどね……」
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