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もちろん答えは決まっている。
「行く!海ちゃんに誘ってもらって嬉しいし、ウェディングドレスも見たーい!」
両手をあげて万歳して答えた私に、海ちゃんは目を細めて笑った。
「……ありがとう、桜ちゃん。もちろんお礼はするからね」
「えー、お礼なんていいよー。桜、それより海ちゃんとお出かけできるの嬉しい」
「桜ちゃん……」
……それにしても。
お母さん、ウェディングドレスを選ぶとき、海ちゃんに見てもらったのか。
お母さんとお父さんが結婚したのは、……大体15年くらい前。
海ちゃんは今の私と同じくらいの年だったはずだ。
なんだか不思議な感じがする。
「……そういえば、お母さんってどんなウェディングドレスだったっけ」
写真は何度も見たのにハッキリ思い出せない。
うーん。
何だか気になってきた。
「……海ちゃん、今日のお勉強はもうおしまい?」
「……うん、そうだね。次は水曜日に、一学期の復習をしようね」
「じゃあ、じゃあ!今から一緒にお父さんとお母さんの結婚式の写真見ない!?」
「……え?」
「確か昔の海ちゃんも写ってたよー。ねえ、一緒に見ようよー」
海ちゃんの腕を取ってゆらゆら揺らしながらお願いする。
すると海ちゃんは『桜ちゃんがそう言うなら……』と恥ずかしそうにうなずいた。
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