84人が本棚に入れています
本棚に追加
/259ページ
……えーと。落ち着こう。
明日か明後日……土日ってことだよね。
日曜は海ちゃんとドレス見に行くから……
『明日なら大丈夫だよ!』
そう送る。
すぐに返事は返ってきた。
『わかった。じゃあ、明日。
どこか行きたいとこあるか?』
行きたいとこ?
えー……どこだろう。
デートだよね。
定番なら遊園地とか、映画とか?
でもお小遣いじゃちょっと厳しいかな。
「うーーん……」
「桜ちゃん?」
「え!」
気づくと、またお母さんと海ちゃんがこっちを不思議そうに見ていた。
どうやら唸り声が聞こえてしまったみたいだ。
「桜ちゃん、どうしたの?」
「あ、なんでもない!ちょっとLINEしてただけ」
「……そっか。……桜ちゃん、顔が赤いよ」
海ちゃんが目を細めて『ふふっ』って笑う。
どうやら見透かされているようだ。恥ずかしい……。
「……あ、あの、海ちゃん」
でも、どうせばれているなら話を聞いてもらった方がいいかも。
私は少し小さい声で海ちゃんに話しかけた。
「……なに、桜ちゃん?」
「海ちゃんってー、その……で、デートとかってどこにいくの?」
「え……」
最初のコメントを投稿しよう!