夢みる、wedding dress

15/15

84人が本棚に入れています
本棚に追加
/259ページ
海ちゃんが一瞬固まる。 口許に手を当てて、悩むように目を伏せた。頬がほんのり赤く染まっている。 「……デート、の場所……そ、そうだね。 映画とか、美術館とか、博物館とか……」 「わ、わあ……」 さすが海ちゃん。なんだかインテリな行き先だ。 「……とりあえずお互いの好きなところに行くよ。彼は絵を見るのが好きだから……」 「そっか……」 「……桜ちゃんも、考えすぎないで好きな場所に行けばいいんじゃないかな?桜ちゃんが、彼と行きたい場所に行けばいいと思うよ」 「……海ちゃん」 海ちゃんの優しい笑顔。 それが私の心にポッとぬくもりをともす。 そして、望ちゃんの笑った顔を思い出した。 そうだ…… 「よし!決めた!」 私が望ちゃんと行きたい場所。 デートでしたいこと。 それがわかった気がした。 私はLINEの画面を開いて 『行きたいとこあるよ!明日はわたしにまかせて!』 と、返事した。
/259ページ

最初のコメントを投稿しよう!

84人が本棚に入れています
本棚に追加