あなたと、sweet time

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「望ちゃん、なんでそんな顔するのー」 「いや、だって。お前料理とか出来ねえじゃん」 「で、で、できなくないもん!ときどきお母さんとお菓子作るし。料理のお手伝いもたまにだけどするもん!」 「お菓子…………」 望ちゃんが苦虫を噛み潰したような顔になった。 お菓子作りは、私もお母さんも結構好きだったりする。 そして昔からクッキーやケーキを作ると、よく望ちゃんにお裾分けしていた。 でもいつも反応が芳しくなかったりする。 「あー!桜の作ったお菓子は美味しくないって思ってるんでしょ!?」 「いや、味は美味い。けど……その、……固い。いつも」 「え、手作りってあんな風になるものじゃないの?」 「…………え」 「…………」 「…………」 なぜか沈黙。 「……まあ、いい。とりあえず弁当作ってきてくれたってことだな?」 「う、うん。お弁当っていうか、おにぎりだけど」 本当はちゃんとおかずも作りたかったんだけど。 デートが決まったのが昨日の夜だったので、材料も下準備も全然足りなかったのだ。 「じゃあ、あそこで食おうぜ。今なら席も空いてるし」 望ちゃんが私の手からおにぎりの入ったカバンをひょいと取る。 カフェの方へと歩きだした。 私もそれについていく。 「ありがとな、桜」 「え!あ、ううんっ!美味しくなかったらごめんね」 「大丈夫。最初から期待してねえから」 「ちょっ、ちょっとくらいはしてよー!失礼だよ!」
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