あなたと、sweet time

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飲み物を買って空いている席に座る。 カフェとはいっても売店に座席をおいているようなスタイルなので、テーブルは外にしかない。 それでも陰の席は風がよく通り、涼しかった。 「えへへ。動物園、久しぶりに来たけど面白いね、望ちゃん」 買ったばかりのリンゴジュースを流し込む。 氷がたくさん入ったそれは、染みいるように美味しかった。 汗が冷えていくのを感じる。 自分で実感していた以上に暑かったみたいだ。 「……でも……暑いよね。ちょっと動物園は無茶だったかなー。ごめんね」 「いいんじゃねえ?おかげで割と空いてるし。熱中症とか気を付けたら問題ねえだろ」 「…………」 「久しぶりに動物園来て、オレも楽しいしな」 望ちゃんはそう言うと、ウーロン茶に口をつける。 柔らかなプラスチックのコップの中、氷がカラカラと動いた。 「…………うん」 私はカバンから包みを取り出す。 おにぎりが詰められたお弁当箱。 望ちゃんの前におき、ふたを開けた。 「……じゃあ、どうぞ望ちゃん!食べて食べてー!」 海苔を巻かれた黒いおにぎりがズラリと並ぶ。 あまり彩りはいいとは言えないし、おかずはほぼない地味なお弁当だ。 「ああ。じゃあ、いただきます」 望ちゃんは小さく手を合わせてからおにぎりを一つ手に取った。
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