あなたと、sweet time

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そんなことを言っているうちに順番が回ってきた。 私たちはゴンドラに乗り込み、空へとあがっていく。 小さいゴンドラの中は蒸し暑かったけれど、昼を過ぎて日が傾いてきたためか、海がすぐ近くのためか、動物園にいたときよりはマシに感じた。 望ちゃんと向かい合って座る。 少し足を伸ばせば爪先がぶつかるくらいの距離。 観覧車ってこんなに小さいんだな。 ………だから、デートに人気があるのかな。 そう思うと、顔が熱くなってきた。 「だいぶ上がってきたな。(たけ)え」 望ちゃんが窓から外を見下ろすようにしてそう言う。 私も同じように景色を眺めると、眼下に海が見えた。 夏の日差しをうけ、海面はギラギラ眩しく輝く。 海水浴ができないのと微妙に遠いため、あまり馴染みのないここの海だけれど、それでもやっぱり美しかった。 「きれいだね。……あ、あっちが桜たちの家の方角かな」 海が見えるのとは反対側へ視線を移す。 ビルが目立つ町並みを指差すと、望ちゃんから「違う、こっち」と少し離れた方へと訂正されてしまった。
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