ささやかに、heart beat

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更衣室で体操服に着替えて、ドレスを仕舞う。 少し汚してしまったが、これは後日まとめてクリーニングに出すから気にしなくていいと言われた。 「あ、沢渡さん。ケガしてるよ。ひじのところ」 「えっ、……本当だ。あまり痛くないから気づきませんでした」 着替えている途中。 浅間先輩に教えてもらってひじのケガに気づいた。 右のひじが擦りむけて血が出ている。 と言っても大したことはなくて、少し滲んでる程度だ。 たぶんリレーで転んだときだよね。 脚はあの分厚いスカートに守られたけれど、ほぼむき出し状態の腕はそうはいかなかったようだ。 「それほどひどいケガじゃないみたいだけど、一応絆創膏貼っておいたらどうかな?救護テントでもらえると思うから」 「はい。わかりました」 ……と、いうわけで着替えを終えた私は浅間先輩と別れ、グラウンド端の救護テントへ。 そこにはそれなりの数の人が集まっていて、保健委員や体育祭実行委員が忙しそうに働いていた。 むむむ。 この程度のケガで手当てしてもらうのが申し訳なくなってきた。
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