85人が本棚に入れています
本棚に追加
「……桜ちゃん、お勉強終わったよね。ちょっといい?」
勉強道具を片付けていると、お母さんが遠慮がちに声をかけてきた。
今の電話の話かな?
私は高速で片付けをおえ「いいよ」とお母さんに向き直った。
「……晴香お姉ちゃん、なにか深刻な話?
私、席を外そうか?」
海ちゃんが戸惑ったようにお母さんに尋ねる。
「あ、深刻ってほどでもないから大丈夫だよ!海ちゃんもここにいて。
えーと……実は、ね」
「実は?」
首をかしげて、聞き返す。
お母さんは腕組みをして考え込むようなしぐさで、続きを話し出した。
「実は、ナツメちゃんが……子猫をもらってくれないか?って聞いてきたんだけど」
「「え」」
私と海ちゃんの声がハモる。
子猫……。
こねこ……。
コネコ…………
「猫!?うちで猫を飼うの?やったー!!」
「桜ちゃん落ち着いて、そういう話が出たってだけで……お父さんとも相談しないといけないし」
「えー、桜飼いたい!猫可愛いもん!ちゃんとお世話するし」
「だからお父さんと相談しようね。動物のお世話は大変だからね」
お母さんは私をなだめながら、どうしてそういう話が出たかを説明してくれた。
最初のコメントを投稿しよう!