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さて、まずはこの家を一般的な家庭レベルにしなければならない。
一般的とは言えどそれぞれの家庭で異なるので、基準は私の暮らしていた部屋である。規則正しく並べられたテーブルと椅子と棚とベッド。基本的にテーブルの上には何も置かない。
棚には作家名を五十音順に並べた本、もちろんシリーズは1から揃えて並べる。空いた場所には小物を百均ケースに収納したものとインクの出るペンだけを残したペン立て、ハサミとカッターも切れるものだけ残して収納。
できるだけ不必要なものは置かない。
可愛らしい人形とか素敵な絵画とか鮮やかに咲かせた生花とか思い出深い写真とか、そういったものは一切必要ない。もちろん観葉植物もだ。
それが、私の一般的であり普通だった。
昔はそうでもなかったが、今はそうなっている。
とは言え、この家がその基準に向かうまでには相当な時間がかかるだろう。
まずはゴミを処分する。
ここに来る途中に近所のホームセンターで購入しておいた70Lの半透明袋を用意し、ペットボトルと瓶と缶、そして燃やすゴミに分類する。
衣類は洗濯して利用するか資源回収日に出すかはあとで選別するとして、とにかくこの部屋から……いや、この家から即刻退場していただきたいものだけを拾っていく。
それが終わったら散らかった物の整理だが、とりあえず収納場所がないのでテーブルやソファ、床の上に揃えて並べておく。
リビングは時間がかかりすぎるので適当なところで切り上げてキッチンに移動した。
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