ずっと昔の…

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ずっと昔の…

***  24年前、ある村の橋の下で、1人の赤子が拾われた。両親は誰なのか、何故捨てられていたのかはわからない。  その赤子の傍には、真っ赤なリコリスの花が咲いていたことと、この国の初代国王から名を取って、 『ルドルフ・リコリス』と名付けられた。  ルドルフが10歳の頃、当時の皇太子・アドルフが村を訪れた。そしてルドルフに『剣技の才がある』と突然言った。ルドルフはそれまで、剣などを握ったことがなかった。  試しに村の鍛治屋が、剣を模した木の棒を彼に握らせて、かつて剣士をしていた男と手合わせさせたところ──一瞬のうちに1本取ったのだった。
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