不穏

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 実弟のソリティアを何よりも大切に思っていた。『1にソリティア、2に国民と騎士団の皆で、3にその他諸々で、4に俺』と言ってしまうほどだ。  王城の自室内で首を吊っていたレックスを発見したのは、ルドルフ自身だった。弟を亡くして以来、彼が明るさを失ってしまったように思え、心配だったからだ。──現場に置いてあった遺書らしき紙には、『たえられない』と彼の字で書かれていた。  その次に、ドラゴン使いのカルカソンが亡くなった。飼い始めたばかりのドラゴンに喰い千切られたと、ルドルフは聞かされた。  カルカソンは、ドラゴン属に限るが魔物と言葉を交わす力を持っていた。小柄な体格を生かして俊敏な動きを得意とし、ドラゴンに乗って空を駆け巡っていた。
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