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空虚
モリスはそう言って、懐から1枚の紙切れを取り出し、それをルドルフに渡した。
『この場所に、この時間に行くといい。そうすれば、犯人が誰なのかがわかる』
ルドルフは紙切れを受け取る。
『もう、誰なのか、わかっているのか…』
『…あぁ、わかっている。──聞くよりも、見るほうが良いだろう』
──その日を最後に、モリスは姿を現さなくなった。
『もう、半年か…』
マカラの死から始まり、誰もいなくなった。国民の間では騎士団の連続死について、あることないこと噂されているらしい。どれもこれも不愉快でしかなかった。
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