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当事者でないものにはわかるまい。長年共に戦ってきた仲間を、友を、次々と失っていく苦痛を、絶望を、虚無感を、孤独を。
王城で最も巨大な両扉の前に立つ。この先には王の間、と呼ばれる部屋がある。王と王妃の座る玉座2つと、ステンドグラスが特徴的な巨大な空間。
扉を片手で軽く押す。すると両扉は音も無く勝手に開き始める。手を既に離しているにも関わらずだ。
──王の間の中央の有り様を、ルドルフは見つめる。腹部から血を流して、膝をついて座ったまま息絶えている男が1人と、それに向かい合う形で血塗れた剣を持って立っている男が1人。
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