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息絶えているほうの男の名を呼ぶ。
『…モリス』
──返事はない。当然のことだ。既に死んでいるのだから。
ルドルフは、剣を持って立っているほうの男の名を呼ぶ。
『──アドルフ』
──微動だにしなかった国王が、ようやくこちらを見た。顔は返り血塗れだった。
『──ルドルフ』
ルドルフを除く騎士団全員の死の原因は、親友にして現国王の──アドルフだった。モリスが渡したメモから、それを理解した。
『色々とご丁寧に手回ししたそうだな』
ルドルフは紙切れを広げて、それをアドルフに見せた。
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