狂気の果て

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『君の母──王妃様と、何の関係が?』 『…僕はね、魔物が憎いんだ。あの時は1人で立つことも出来ない赤ん坊だったけど──本能なのかな、ここに染みついているんだよ。魔物への、憎しみが、嫌悪が、憤怒が』 アドルフは自身の胸に手を当てる。 『僕は魔物を殺すためなら何だってしてやると、物心ついた時には既に思っていた。父上も同じ考えだった。…だけど、限界があった。僕ら王族は、戦場には出られない』 この国のしきたりで、"王族は戦場に赴いてはならない"というものがある。教養上剣術や戦術学などを習うが、"王族は戦場の穢れた血で汚れてはならないため"だと言う。 『魔物を殺すことが赦されない…ならばいつも通り兵士を戦わせるしかない…いや、変えるべきなんだ。ただの兵士では駄目だ。神聖な、選ばれしでなければ駄目だ!』
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