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アドルフの変わり様に、ルドルフは呆然とする。
俺の親友は、こんな男だっただろうか。いや、こんな男だったのか。アドルフは、俺の思うような、自由奔放で、だけど国のことには一生懸命な男ではなかったのか。──否、一生懸命だからこそ、だろう。
『──だから父上が病死した時、悲しさよりも…嬉しさが勝ったよ。これからは僕がこの国を導くんだ、あの神話のように、誰も魔物に脅かされないような…』
再びアドルフは、演劇の主役のような口振りになる。
『マカラを最初に選んだのは特に理由がないよ。…葬式が終わった後、彼女の身体から"心臓を抜き取って"、ミナーヴァ遺跡に捧げたよ』
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