狂気の果て

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 アドルフは、何かに酔いしれているように見えた。何に酔いしれているのだろう。自分か、罪か、母か──それとも狂気か? 『様子見していたら、何ということかッ!遺跡付近の村や町に、魔物が一切現れなくなったではないかッ!騎士団の活躍で出現が減っていたとはいえ、これには驚いたッ!僕が推測していた通り、やはり"で在る"ことで、力を発揮するんだッ!』  ルドルフは歩み寄る。座ったまま死んでいるモリスにだ。大剣使いである彼が、愛武器を持たずにここにいる。  彼は自ら死を選んだのだろうか。  わからない。死人はもう二度と、喋ることはないのだ。
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