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『…』
『何故、全員を回りくどい方法で殺した?』
『…ぁあ、やっぱりだルドルフ』
『…"やっぱり"?』
アドルフはその場で立ち止まり、俯く。ルドルフから10mほどの距離に、彼はいた。
『…やっぱり、お前を最初に殺しておくべきだった。騎士団にお前がいると考えただけで──一思いに殺せない自分が憎いよ』
──あぁ、そうか、そういうことか。
迷っていたのか、アドルフは。
自分を救いたい、母を救いたい、民を救いたい、その思いで今まで生きてきたのに。
躊躇してしまったのか。
民の希望の象徴である、騎士団の全てを殺すことを。
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