狂気の果て

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 今、短刀を何度も振り下ろし、ガラス細工のように身体を破壊しようとする、親友にだろうか。  親友に短刀を振り下ろしている彼は、もう何も考えてはいなかった。  どんな感情で殺していたかも把握出来ない。  仲間を殺された怒りだろうか。  英雄を殺した国王への失望だろうか。  残酷な真実を突き付けられた哀しみだろうか。  親友への、同情だろうか。  短刀を突き刺す度、親友の身体から血が噴き出る。
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