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その返り血が、短刀を振り下ろす彼の白い軍服を染める。
白から赤へ、赤から黒へ。
──どれほどの時間が経っただろう。
彼の見下ろす先にあったのは、赤いガラスの破片の山だった。
他者の身体をガラスのように破壊する力。
ルドルフはこれを『白夜』と名付けた。
アドルフが言っていた、『心臓』が与えた力なのだろうか?
***
王の間を出る直前、近衛平達に見つかったことで、ルドルフは"国王殺し"の指名手配犯となった。神聖夜騎士団の連続不審死も、ルドルフ・リコリスが仕組んだと考える者もいるらしい。
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