狂気の果て

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 ルドルフはもう、民を守る思いも、仲間の死を悲しむ思いも、親友への思いも、何もかもがなくなっていた。ひたすらに虚しく、何の感情も湧いて来なくなった。  彼の心は、限りなく死に近いモノとなってしまっていた。  追われ、逃げる中、彼は考えた。 『何故人は復讐を望むのか?』 自分以外の誰かが、それの正しい答えを持っているような気がした。  だから、生きる。  死んだほうが喜ばれる身体(いのち)だが、生きてみる。  彼自身が、答えを理解する日まで。
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