ずっと昔の…

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 その日から、ルドルフ・リコリスの新しい日々が始まった。  ルドルフは前線で魔物と戦うことになった。初めの頃は魔物の血飛沫や咆哮、助けを求める人々の叫びに、毎日夢でうなされていたが、『少しでも多くの人を救う』ことを胸に留め、戦い続けた。  ルドルフの所属する騎士団は、彼のように前線で魔物と戦う者は勿論、治癒や後方支援に専念する者、特異体質を生かして撹乱を行う者など、ありとあらゆる面で優れた者達で構成されていた。  彼らはとても心強く、最初こそ警戒していたルドルフも次第に心を開き、彼らを信頼するようになった。彼らもまた、ルドルフを一目置くようになった。戦いが終わった後には疲れつつも、くだらない笑い話で笑い、些細な出来事で幸せを感じたりと…そこには確かに絆があった。
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