REVENGE KILLER

不穏

　その騎士団──神聖夜騎士団の活躍により、国内の魔物の被害は次第に減っていった。彼らは国民に"英雄"と称えられた。
　ルドルフ・リコリス、21歳。親友の皇太子アドルフが、国王の病死を期に、新たな国王として就任する。ルドルフはこれからも親友を、親友の治める国を、騎士団の仲間と共に守っていくと、改めて決意した。その決意は絶対に揺らがないものと信じていた。

　騎士の1人であるマカラが、転落で亡くなるまでは。

　マカラは槍使いで、ルドルフと共に魔物と戦ってきた女戦士だった。力持ちで、槍以外では不器用だけれど、誰よりも人の変化に機敏に気付く繊細な彼女。
　そんな彼女が、階段から滑って転落死。