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「10年前、俺が白夜を任務に駆り出した」
「──それがシーカーリウスの迎撃か」
「ああ」
俺が魔術師になりたいと思ったきっかけ、追いかけ続けたあの閃光。
それが神月と親父の魔術だった。
「シーカーリウスの迎撃には白夜の情報が必要だった」
親父は神月と違って無特性ではないらしい。
あらゆる情報を収集することができ、その情報特化の魔術に正確な位置情報、速度などを神月に与えた。
直径約18キロメートルと推定されたシーカーリウスの迎撃となれば、1ミリのズレも許されなかった。
一欠片も残さず一瞬で消し炭にする。
その計画は、とある兄弟なくしては成立しなかった。
驚くことに彼らは単純な兄弟ということではなかった。
一卵性の双子だという。
その好条件もあって、両者間の感覚共有魔術は、一切のタイムラグを発生させなかった。
それに加え、無特性である神月の計り知れない魔力量から通常の魔術師であれば発動困難な最大威力の魔術を発動させた。
そして見事、地球が救われたという訳だ。
知らなかった。
俺にそんな偉大な親父と伯父がいたなんて。
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