神月 極夜

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「あの日、拒む白夜を無理に連れ出したのは、俺だ」    神月は眠る親父の顔を眺めながら言った。  その表情を見て悟った。  代償というのは、神月の実力をもってしても治すことができないのだと。 「白夜はこうして眠りにつく代償を受けたが、俺の代償は老いが逆行するものだ」 「悪い、もうちょい分かりやすく言ってくれ」 「俺は本来、白夜と同じように老け朽ちるはずだった」  が、 「俺の身体は、退行化している」 「な!?」  誰しも戻りたいと思う。  若かったあの頃へ。  でも、もし若返り続ければ──、 「俺は、赤ん坊の姿で朽ちる」  まじか……。 「──そのうち言葉も交わせなくなり、腹が減ったら泣き喚き消化すれば糞を垂れ流すことになるだろうな」  神月の状態を見ると、精神まで退行化するって話じゃなさそうだが。 「それはキツイな」
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