神月 極夜

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「その前に言っておくことがある」 「何だよ、改まって……」 「俺は──お前に謝らなければならない」  妙に真剣だった。 「白夜を脅し奴を任務に連れ出した。自分に与えられた使命感のみを信じて」  神月は言った。  使命感って何だよ。  そんなこと、あって言い訳ないだろ。  そんなこと、 「どんな理由があろうと、俺は──神月に救われてんだよ! 俺だけじゃない、この世界! 全部、全員がだ!」  前より10歳近く若返ったその顔、その瞳に宿った神月の信念──弱き者を決して見捨てない、強者としての責務。 生まれ持った役割を決して腐ることなく投げ出さない。 身体が退行しようと決して変わらない。 神月 極夜という、 俺の師匠で先生で憧れ。 「そんなすげえ奴が、俺なんかに謝んな!!」  無機質な空間に俺の声が轟いて、何重にも反響した。 しばらくして耐えきれなくなったのか神月は声を上げて笑った。 「──それじゃ選べ、誰をも制する魔術師となるか、政府に飼育され禁忌の子として生きるか。──お前の道だ。お前が選べ」  ここからが、俺の魔術師としてのスタートライン。  選ぶもない、  最初から一択だ。 「俺は魔術師になるのが、夢だったんだ!!」
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