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黒歴史を越えた暗黒歴史を振り返れば、俺の孤独は随分長かった。賑わって浮かれて、うつつを抜かした青春など本当にごく僅かな時間だ。
塩ひとつまみ程度。あったのかなかったのか、入れたのか入れなかったのか、と聞かれれば首を捻る。そんくらい。
あの全てが自分の勘違いで夢だったのかも。
そう疑ってしまうほどに儚い時間だ。
結論から言うと──俺は魔術師だ。
なんの結論? それはまあ、なんとなく。
《結末の魔術師》そう、誰かが言っていたから。
結末があれば発端もあるだろうが、これは結末の話。物語ってものは、結末が肝心だからな。
なのに多くの人間が結末っていうのを意外と知らないものだ。
覚えていないだろう、あの漫画の最終回。
あの映画の結末。
結末なんてものは、肝心であっても記憶に残らない。
結末担当としては残念で仕方ないことだが、まあそれでいい。
だって、そうだ。
──結末には次がある。
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