第零話 見えない謎の存在

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「我でも構わんが、ここで神恩感謝をするのはちょっともったいない。この前、九つ頭の龍を味方につけたいと言って戸隠に向かっただろ。そこでやってきなさい」 と言われたのだった。 もちろん自分は産土神であるお子守さんにしたいと言ったのだが、お子守さんは「初めてだろ?だったら戸隠神社で御祈祷の作法を学んできなさい」と言い、断られてしまったのだった。 しかし・・・ 「お主よ、九つ頭の龍神様に神恩感謝をすれば、お主が生まれる前からずっと見守っておる存在に気づくだろう」 という返答をいただいたのだ。 「お子守さん、もしかして、引っ越しした時に感じた、あの違和感のことを知っているのですか?」 「それは我にも分からん。ただ、お主に向けて『気づいてくれ』という声がわずかながら聞こえる。その存在が我も気になる。九つ頭の龍なら知っているかもな」 と言って、その場を去っていった。
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