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「それ単純にその人の事嫌いなだけじゃなくって?」
クールなアカネさんは説明を終えた私にそう言い放った。
「違うんですっ!」
「何が違うのさ。」
「アカネさんだって解るでしょう?」
私はそう言って今まさにお弁当を渡す看板娘を垣間見ながら続けた。
「あの優香ちゃんですよ?」
「だから何なの?」
光を反射し、金色に輝くレモネードを口に含んだアカネさんは見上げるようにこちらを見ると言った。
「誰しも君の脳内が覗ける訳じゃないんだよ、心ちゃん。」
「ホームズになら解るかと」
私は口角を上げ、そう言ったが某名探偵には通用しなかった。
「ホームズだって何だって手がかりが無ければ謎は解けないのだよ」
アカネさんは私にからかうようにそう言うと、
ズズッと音を立ててレモネードを飲み干した。
「そうですね…」
私は諦めてそう言った。口を付けていなかったミルクティーを一口飲み、
私はその時の状況を詳しく説明しようとした。
が、アカネさんは優香ちゃんの方を興味深く見ると言った。
「その必要はないみたいだよ」
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