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この時間にいるのは、ボクと同じような学校終わりの学生かこのゲームの世界の住人じゃないかってくらいずっといる大人ぐらいだ。
いつものメンバーと集まるキャンプ場に入ると、楽しく会話をしている黄色い猫と西洋の騎士のような恰好をした男の人の姿が見えた。
『お!今日はミコもはよ来とうやん』
変わった言葉で弾みながらこの世界でのボク名前を呼び、黄色い猫がまん丸の目を輝かせ前足を振った。
ボクと同じ二足歩行をする猫のアバターを使っているゲーム仲間のヒロシだ。
なぜかどんなに急いでゲームを立ち上げても、同い年のはずのヒロシはいつもボクよりも早くゲームにいる。
今日も学校をさぼっているんじゃないかと、ボクが聞くとヒロシは笑ってごまかしてた。
「ミコ、学校はどうした?ちゃんと勉強しているのか?」
そんなボクとヒロシを心配そうに見ているのは、平日のこの時間には珍しいハセさんだ。
いつもは仕事が忙しいらしく、日曜日か夜遅い時間にいることが多いのに……。
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