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不思議な言葉で書かれた大きな看板を潜り抜けると、ボクたちが普段いるキャンプ場と違い賑わった市場が広がるエリアが見える。
アイテムを売る行商人、武器を売る武器職人、武器を強化するための素材を売るおばあちゃんのキャラクター……
ギルドでしか出会えないゲームのキャラクターたちに混ざり、ボクたちのように頭の上に名前が浮かんでいるキャラクターがたくさんいる。
彼らはボクなんかと同じ、ゲームのプレイヤーだ。
時折、親し気に手を振ってくる人もいるがハセさんも軽く代わりに手を振るだけであまり関わろうとしない。
―――派遣ギルド以外では本当に知っている人間以外はあまり関わらない方がいいからな。
ハセさんはボクとヒロシだけが聞けるプライベートチャットで、そう呟くとぎゅっとボクの手の掴んだ。
先ほど手を振った人の名前は何語かも分からない文字が並んでいる。
同じように無差別に他の人に近づいては手を振り、返事をしてくれた人にだけ何やら話しかけている様子だ。
不自然なやり取りによく分からないけど気持ちが悪くなり、そっと目線を逸らした。
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