2人が本棚に入れています
本棚に追加
1.青天井とアリス
─ドサッ
真っ逆さまに落ちてきた。
目を開けるとそこは青天井。
恐ろしいほど美しい青天井だった。
目の前に大きな目をした2つの顔が僕を覗き込んでこう言った。
「落ちてきた、落ちてきた。」
「アリス、アリスだ!」
アリス?何言ってるんだ?
僕は──
「アリスはこっち!」
強引に腕を引かれ僕は立ち上がる。見渡すとそこは奇妙な世界だった。
広大な青の土地に本の山。
ジャムの塗られた食べかけの食パン。
沢山の物の中に、道が森を目指して一つだけのびていた。僕は2人に連れられその道を歩き出した。
「ねぇ。此処はいったいどこ?」
そう聞くと2人は不思議そうな顔をしてこう言った。
「アリス変ね。」「変ね。」
「知ってるくせに。」「知ってるくせに。」
そう言うと、2人は顔を見合わせてクスクスと笑った。
最初のコメントを投稿しよう!