1.青天井とアリス

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1.青天井とアリス

─ドサッ 真っ逆さまに落ちてきた。 目を開けるとそこは青天井。 恐ろしいほど美しい青天井だった。 目の前に大きな目をした2つの顔が僕を覗き込んでこう言った。 「落ちてきた、落ちてきた。」 「アリス、アリスだ!」 アリス?何言ってるんだ? 僕は── 「アリスはこっち!」 強引に腕を引かれ僕は立ち上がる。見渡すとそこは奇妙な世界だった。 広大な青の土地に本の山。 ジャムの塗られた食べかけの食パン。 沢山の物の中に、道が森を目指して一つだけのびていた。僕は2人に連れられその道を歩き出した。 「ねぇ。此処はいったいどこ?」 そう聞くと2人は不思議そうな顔をしてこう言った。 「アリス変ね。」「変ね。」 「知ってるくせに。」「知ってるくせに。」 そう言うと、2人は顔を見合わせてクスクスと笑った。
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