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しばらく歩くと森の中に入った。
とにかく静かな森だった。
耳が痛くなるほど──
大きな木は美しい青天井を隠し、葉の隙間かこぼれる光は万華鏡のようにチラチラと移り変わっていく。
相変わらず不思議な世界だ。
しかし、それ以上に──
酷く美しい世界だ。
「君たちは誰?」
僕は小さな頭2つに問いかけた。
「知ってるくせに。」
「とぼけちゃってさ。」
「「アリスってば変ね。」」
この2人は僕のどこまでを知っているのだろうか。
「ねぇ──」
何故だか恐ろしくて聞けなかった。
──僕は何かを忘れているの?
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