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「……まさか、せんせーって、種茂と付き合ってる?」
「えっ? なんでそうなるの」
「ふたりっきりで特訓してるうちに、教師と生徒とはいえ、変な気が起きて、とか。どうせもう卒業してるからどんな関係でも何も言うやつはいないだろうし」
「いやいや。そんなんじゃないから。種茂先生って怖いし。それに……」
あれの身内というだけで、当時、先生にはわたしのわがままに付き合わせてしまった負い目こそあるけど。どうして恋愛感情なんてものが存在するのだろうか。
って、そうじゃなくて。
「なにかの罰ゲーム? 先生のことからかって遊んで、憂さ晴らししようと思ってる?」
「違います。そんなふうに思ったなんて、ひどいひとだ。年上ぶって偉そうな態度取ってたって、先生でいるのも期間限定のくせに」
な、なんて生意気な。
たしかにそうだが。それに関しては、何か言い返せることなんてないが。
顔がいいからって、そんなことまで言ってもいいなんてルールが……
ある、ね。
あるよね。ない方がおかしいよね。
少なくとも、わたしの中には存在している。悔しいけど、完敗だ。
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