これって、何のためになるんですか?

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「……まぁ、いっか。この補習、一週間もあるし。今日のところは、せんせーの連絡先教えてもらうだけで妥協するよ」 ほっ。 いや、ほっ……じゃないでしょ、わたし。 この子、全然妥協してくれてない!! それに、わたし自身、この補習に付き合うのが一週間もあるってすっかり忘れてた。たしかに、反復学習しないと古典は意味がないけど。 でも、これ以上は逃げ道もなくて、わたしは仕方なく自分の連絡先を差し出した。 「やった。それじゃ、毎日連絡するね、せんせー」 「返事する保証はないけどね」 「つれないなぁ。俄然燃えた。きっと、最終日には、そんなこと言えなくなっちゃうよ」 「……すごい自信だね」 「自分の武器を十二分に活かしてるだけ、ですよ」 たしかに。その通りすぎて何も言えません。 そして、そうやってちょっとドヤ顔で言う相楽くんの顔面も最高です。
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