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接近イベント発生。見つめすぎた罰ですか?
結局、相楽くんはノートを写させてくれる相手が見つからず、自力で授業が始まるまで宿題に取り組んだようだ。
古典の宿題は、与えられた範囲こそ短いものの、和訳をしなければならない課題の場合、得意なひとにとっては楽勝だが、苦手なら辞書を片手にやってもそんなすぐに解ける問題ではない。彼は後者で終わらなかったようで……
「じゃあ、予告通り、相楽くん。和訳、してもらえるかな?」
授業が開始し、先生に指名されても、答えられず撃沈。
よりによって、わたしが単独で授業を進めていくようになってから、こんなことになるなんて。
「…相楽は授業が終わったら教壇まで行って。おれから話したいことあるから」
「はぁ?!」
「宿題忘れて、授業に不慣れな如月先生を困らせたんだ、そのくらい容易いことだろ」
「……わかりましたぁ」
「素直でよろしい。ごめん、授業ストップして。続けて」
「あ、はい……」
教室のいちばん後ろに座ってわたしのようすを窺う(教科)担任が、そう言って相楽くんを叱責したけれど。
ーーー教壇で、なにをするつもりなの? まさか、わたしがなにかしなきゃダメ?
わたしとしては、顔がいいから許しちゃうけど。先生という立場にある以上、普通そうはいかない。
教育実習なんて、こんな面倒なもの早く終わってほしいと思っているのに、この時間だけはすぐに終わってほしくないと心から思った。
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