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もう君と出会って半年か〜、と俺はあっという間だなぁって感慨深くなってきた。
それを君に言えば、もう…あなたったら〜って笑われてしまったっけ。俺も、今年で26歳か。
はぁ〜、君が俺の誕生日期間に東京にきて…それこそ二人でディズニーで、アリス風のワンピースを着た可愛い君を独り占めしたい。
そうだ、君はハロウィン期間限定でディズニーでパレードしているのを知ってるのかな。
昨夜の嫌々付き合わされてる毎回恒例の苦手な先輩との飲み会で酔ってきてたのを、いい事に思っていた事を言っちゃったな。毎回毎回恥ずかしいな…
それにしても、今日の君はいつもよりノリノリだ。俺としては、かなり嬉しい。
思い切ってお酒のせいにして、前からディズニー行きたいと言ってた話をしようかな。
うん、しよう。
…「前から言ってたディズニーの話だけど、今月から10月31日までハロウィン限定パレードやってるんだって〜」と振ってみたけど、どうだろう。がつがつした男って思われないだろうか。
内心ひやひやしつつ、思ったより彼女は「わあ!いいですね〜!」と乗り気で、結構好感触?と期待してしまって。
ついつい自撮りがみたいだの俺は何も見せてないくせにいつも彼女に求めてばっかりだ。
でも、男の自撮りなんて需要がないし。誰得だよってね。
まあ彼女は恥ずかしがりながらも何だかんだ自撮りしてくれるんだけど…今回のは、確かに見てるほうまで恥ずかしくなるな。
でも、こんな姿を俺だけに見せてくれたんだって思ったら結構嬉しかったりもする。
それに、やっと心を開いてくれたって思ったら。目の前にいたら抱きしめたいくらい愛おしい。
黒いキャミソールに、色白くて柔らかそうな肌のコントラストと何よりも俺がショートが好きだからショートヘアの彼女が余計に可愛らしくて思わず口に出してしまった。
やっぱり、君にはショートヘアが似合う。可愛い…!って口に出てて、彼女は照れくさそうにはにかんでいた。
でも、どこか抜けてる彼女の事だ。
ツイッターの裏垢に今の自撮りをあげるか、間違えて男友達に誤爆LINEしそうだから。
念の為「いい?ほかの人には、絶対見せちゃダメだからね?」と釘をさして今のところはどこにも晒してなさそうで少し一安心。
君の、彼女の、こんな姿を見ていいだけなのは俺だけ。
俺と彼女だけの秘密…そう考えていたら思わず笑がこぼれる。
それと同時にほかの人に君のそんな姿を見せたくない。知られたくない。
それから仕事がバタバタしてきたけど…なんと君が東京に来てくれるってやっと約束できて。モチベーションが上がって、どんなに大変でも頑張れそうだ。
そんなある日、苦手な先輩から「おい、お前…最近イキイキしてるなぁ」って言われて、思わずそんなことないですよ!とかムキになってたら、先輩から「お前、好きな子できただろー?」と突っ込まれた。
思わず、焦って否定したけど先輩は笑いながら「いいんじゃねーの?」と言って背中を叩いた。
あのクズな先輩にからかわれるのは、不本意だけど事実だし仕方がない。
10月になって、彼女から「今から東京に着きます」というメッセージが届いた。
俺は、東京駅まで和歌山から初めて一人旅したであろう彼女を迎えに行った。
彼女は、少し怯えながら俺が着いたよーって電話しながら彼女のもとに向かえば…彼女はほっと安心しきった笑顔を見せてくれた。
俺は「ようこそ!東京へ!」と言って、彼女も微笑んでくれた。
それから喫茶店でお茶しながら話したり、一緒に原宿行ったり…夕方からディズニーに行った。
ディズニーで、ミニーちゃんやマリーちゃんの可愛いグッズをみて彼女はおぉー…!と目を輝かせてて、それを見えただけでも東京まで来てもらった甲斐があった。
ひととおり彼女の買い物に付き合って、いよいよ夜だからパレードが始まった。
ハロウィンらしくカボチャやお化けがありつつ、ミニーちゃんとミッキーやディズニーの定番キャラが明るくて楽しい音楽とともに現れて彼女も最初は戸惑ってたけど楽しそうだった。
夜のパレードは終わって、気付いたら日付が変わっていた。
俺は慌てて「あ、ホテルまで送るよ!」と言い、彼女は首を横に振り「まだ一緒にいたいです…」と言われて嬉しくてわかったって頷いた。
そうしたら、彼女はあの、って言って思わず「ん?どした」って返したら…「誕生日おめでとうございます!」と言われて。
そうか、今日は俺の誕生日か。
彼女に言われるまで忘れていた。
彼女は、「私、あなたに出会えて良かった。だから、あなたが生まれた日を祝福させてください!」と照れくさそうに、だけど心から祝福してくれて…それだけで俺にとっては最高の誕生日プレゼントだ。
俺は、嬉しくなって彼女を抱きしめた。
彼女は、びっくりしてわっ!って声を出したが。そのまま、抱きしめられた。
「ありがとう、最高の誕生日だよ」続けて「俺も、君に出会えて良かった」と。
彼女は、嬉し泣きをしながら俺は優しく笑っていた…とそれを見ていた職場の人たちから聞いた。
少し苦笑いしながら、まあ仕方ないか…と思った。
次は俺から和歌山まで君に会いにいこう。
そのときまでに仕事頑張らなきゃなぁと思いながら、今日も頑張っていく。そんな誕生日だった。
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