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難航の理由②
改めて、資料を読んだ優斗は深いため息をつく。あまりにもヒントが少ない。そのために6人まで容疑者を絞ってるのだろうが、そこから絞るための証拠が無い。
「推測で話を進めるか?いや、外せば俺の命が危ないんだぞ。そんな一か八かで推理はできない。」
優斗は激しく頭をかく。こうやってもう3日も経ってしまっているのだ。今までも依頼者側として勝ってきたが、今回の事件はそれらと比べてあまりにも証拠が少ない。暗殺者があまりにも手慣れすぎている。経験者か。考えを巡らしても、光明が差してこない。
「とはいえ、可能性で考えるしかない。
1番殺せそうなのは第一発見者の喜田警備員。
1番殺しそうなのはセクハラを受けていた下田愛。」
本人たちに話を聞きたいが、事件が起きたことにより、高校は休校。全学年、全クラスが登校していない。生憎、下田の住所も志田のも知らない優斗には調べる術がなかった。担任に聞いてもいいのだが、確実に怪しまれてしまう。
「現場検証が出来ないのが痛すぎる。"誰にも気付かれず"殺すというのが自殺に思わせて殺人だと"気付かせない"っていうのもアリだったとは思わなかった。」
そう、現場検証、もとい捜査することも危ういのである。暗殺ゲームのルールに則って…
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