第4話 契約

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 他にも何かいらないかとセイル様の目が訴えているように感じられて、私はお願いをすることにしました。 「では、ティーテーブルと、椅子を二つ。茶葉と、ティーセットをお願いできますか? 私、セイル様とお茶が飲みたいです」 「おお! 任せておけ!」  セイル様は喜び勇んで消えました。  本当に、物を運ぶのが得意なのですね。  それにしても、これらの物は一体どこから持ってきているのでしょう?  まさか泥棒……? 「きちんと代金は払っておるぞ。地獄にはな、人間の作るものが気に入って、それらを真似して作ったりする奴らもいるのだ」 「きゃっ!」 「ああ、すまぬ。驚かせたな」  びっくりしました……。  地獄の皆様についても驚きましたが。  ではこのベッドも、可愛らしいティーカップも悪魔の方が作られたのでしょうか。  意外です。  地獄に太陽があるのかと疑問に思っていると、そういう場所もあると教えてくださいました。  地獄、すごいです。
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