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第5話 魔力供給
「色々と運んだのだ、魔力をもらってもよいか?」
セイル様が運んできたばかりの椅子に腰掛けてそうおっしゃいました。
想像以上にたくさんの物を運んでいただきましたから、魔力をさしあげなければならないのは当然のことでしょう。
私は頷きました。
「もちろんです。えぇと、どうさしあげればいいのでしょう?」
「一番簡単なのは口付けであるな」
さらりと紡がれた言葉に、私の思考は停止します。
てっきり、さきほど契約の際に行った、親指の血のやりとり程度のことと思っていたのです。
「オレ様を喚ぶのは大抵が年老いた男であったから口付けなんかは遠慮してきたが、お主であれば問題ない。むしろ大歓迎であるな!」
「く、口付け……」
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