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私はセイル様に微笑みます。
「大丈夫です。嫌だったら、トントンと叩きますわ」
「よし、わかった」
私は再び目を閉じます。
セイル様の吐息が私の肌にかかり、唇に柔らかなものが触れました。
何度か啄むように唇に触れ、それよりも温かな舌が優しく唇を舐めていきます。
閉じた唇を割り開き、セイル様の舌が私の口の中に入り込みました。
どう呼吸をしたらいいのかもよく分からない私の口から、吐息に混じって声が漏れました。
その声に気を良くしたのか、セイル様は後頭部にあてがっている手に少し力を込め、ますます深く舌を差し入れるのでした。
「ん……っふ……」
私の息と、声と、唾液の水音、静かな塔の中にそれだけがうるさくて、私は自然とセイル様の首に腕を回していました。
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