第5話 魔力供給

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 私はセイル様に微笑(ほほえ)みます。 「大丈夫です。嫌だったら、トントンと叩きますわ」 「よし、わかった」  私は再び目を閉じます。  セイル様の吐息が私の肌にかかり、唇に柔らかなものが触れました。  何度か(ついば)むように唇に触れ、それよりも温かな舌が優しく唇を舐めていきます。  閉じた唇を割り開き、セイル様の舌が私の口の中に入り込みました。  どう呼吸をしたらいいのかもよく分からない私の口から、吐息に混じって声が()れました。  その声に気を良くしたのか、セイル様は後頭部にあてがっている手に少し力を込め、ますます深く舌を差し入れるのでした。 「ん……っふ……」  私の息と、声と、唾液の水音、静かな塔の中にそれだけがうるさくて、私は自然とセイル様の首に腕を回していました。
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