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第6話 しあわせな毎日
それからの日々は、楽しいものでした。
幽閉されているというのに、セイル様にはそんなの関係ないのですから。
ドレスと宝石は返却しました。
今の私には必要のないものですし。
ただ、もともとの薄汚れたワンピースで過ごすのは、いくら洗浄したとはいえ受け入れ難かったので、数着、自分一人でも着られるくらいの簡単な作りの服をいただきました。
手袋も、持ってきてくださいました。
木箱に入った硬いパンは、いつの間にかセイル様が燃やしてしまいました。
朝は温かなスープと柔らかいパン。
昼はサンドイッチ。
夜にはステーキなんかも出てきました。
毎回私に食べたいものを聞いてくださるのですが、段々と思いつかなくなってきたので、ここ数日はセイル様にお任せしています。
私がご飯を食べている間、セイル様は向かいに座って私を嬉しそうに微笑んで見つめています。
セイル様には食事は必要ないそうなので、仕方がないことではありますが、とても恥ずかしいです。
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