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第7話 その頃、王城にて
その頃、カトリーヌ・ホロウリーは王城にいた。
手に入れた第一王子と共に、囚人たちの様子を監視するための詰所へ訪れていた。
「本当に確認するのか?」
「えぇ、当然ではありませんか。彼女が幽閉の身になったのは私たちが原因なのですよ。責任を持って最期まで見届けるのが筋ではありませんか」
「おお、さすがはカトリーヌ!」
もちろん、カトリーヌはそのような理由から詰所へ来たわけではない。
リネットの無様な姿を、ただ見たかっただけである。
あの女の醜悪な死に様をこの目で確認できたなら、それはどれほどの興奮をもたらしてくれることだろう。
一ヶ月やそこらではまだ死んではいないかもしれない。
しかし、ほとんど食べられたものではないパンをいくつか与えただけなのだ、飢餓に苦しむ姿を見られるだけでも構わない。
大勢の前でカトリーヌを使えない人間だと罵倒したあの女から、何もかもを奪ってやらなければ気が済まないのだ。
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