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カトリーヌは男爵令嬢で、私の家に行儀見習いとして出入りしていました。
私が登城する際も同行させていたのですが、いつの間にか王子と想いを通じ合わせていたようです。
姿が見えないことが多いのだと他の侍女が言っていたのを放置したのがよくありませんでした。
王子を自分のものにするためだけに私をここまで貶めなくてもいいだろうと思いますが、おそらく私に対して怒りを溜め込んでいたのでしょう。
私は人並みはずれた綺麗好きです。
普段から手袋をはめ、可能な限り素肌を布で覆っています。
少しの埃も耐え難く、私の部屋の掃除はそれはもう念入りに行っておりました。
主人である私が自ら掃除するわけにもいきませんので、必然的にカトリーヌも掃除をすることになるのですが、それがまた雑なことこの上ないのです。
逐一指示を出していましたが、その度に生返事。
背後から睨んでいることを、他の侍女から教えられることも一度や二度では済みませんでした。
そんなカトリーヌでしたから、王子を手に入れるついでに私を破滅させてやろうと考えたのでしょう。
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