第1話 婚約破棄

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 数日後、私は罪人と同じ一枚布のワンピースに身を包み、教会で神父様の前に(ひざまず)いていました。  捕らえられてからの牢屋生活で、私の精神は限界を迎えつつあります。  全身を清めたくて堪りません。  身を包むワンピースも、叩けば埃が立ちそうです。  油断すると嫌悪感のあまり吐いてしまいそうなくらい気分が悪いのですが、さすがにそこまでの失態を(さら)すわけにはいきません。  神父様の口から、私がやったとされる罪状がつらつらと読み上げられます。  しかし、どれもこれも私には覚えのないものばかりですから、その文言はひとかけらも私の心に残りませんでした。  ただ、それほど大きな罪状はなかったように思いましたので、(ちり)も積もればというやつなのでしょう。  私は、王都の最北部にある塔へ幽閉されることになりました。  小さな罪の積み重ねでは、私を処刑するには弱かったようですよ、カトリーヌ。
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